誰でも使いやすい 座って囲める『キッチンテーブル』

掲載日: 2024.12.9

誰でも使いやすい 座って囲める『キッチンテーブル』

家族の時間を大切にする「キッチンテーブル」開発の思い

共働き世帯が多数を占め、子どもたちも部活や習い事などで忙しい昨今、家族で食卓を囲む時間も貴重になりつつあるのかもしれません。
キッズデザイン賞では、男女ともに子育てに積極的に関わり、仕事や家事と育児を両立させる良質な取組や製品も対象にしています。「誰でも使いやすい 座って囲める『キッチンテーブル』」は第18回キッズデザイン賞の子どもたちを産み育てやすいデザイン部門で優秀賞(男女共同参画担当大臣賞)を受賞しました。
積水ハウス株式会社の藤原祥子さんは開発の思いをこう語ってくれました。

誰でも使いやすい 座って囲める『キッチンテーブル』

キッチンと一体になったダイニングテーブルで家庭内の新たなシーンをつくる

毎日の食事で家族の団らんを提案

「当社の調査では66.4%の方が家族と会話を楽しみながら食事したいと答えています。
一方で孤食、つまり1人で食事をとる割合が高いこともわかっています。平日の夕食でも42.6%の世帯が孤食となっています。
現在、我が国の共働き率は7割を超えており、小学生の子どもを持つ親の4割がコミュニケーション不足を感じているという結果も出ています。
こうした結果を踏まえて、毎日の食事で家族の団らんを提案できないかと考えました。」

誰でも使いやすい 座って囲める『キッチンテーブル』

調査では「家族と会話を楽しみたい」と「孤食の増加」が対峙していることがわかってきた

「そこで生まれたのが、『一緒に“つくる・たべる”で家族の幸せなつながりを。』キッチンテーブルの提案です。当社では共働き世帯が増え始めた2012年に、夫婦一緒に作るセパレートキッチンという製品を提案しました。これに一緒に食べるダイニングテーブルの機能を加えたのがこのキッチンテーブルです。キッチンテーブルは食の場所でもありますが、リビングルームのようにゆったりくつろぐ場所でもあります。リビングルームにいる家族とお互いの姿が見えることで、コミュニケーションのきっかけを生んでくれます」。
キッチンテーブル開発のポイントは5つあります。
「1つ目は、つくる・たべるはもちろん、子どもが宿題をしていたり、お手伝いをしていたり、別々のことをしていても目線を合わせてコミュニケーションができることです。2つ目は、使いやすいゾーニングです。
家族の団らんスペースは、一般的なダイニングチェアで使われる高さ72センチで一緒に楽しめるようになっています。作業性重視のちゃちゃっとスペースはカウンターの高さを85センチに設定しています。これは一般的なキッチンと同じ高さで洗い物などの作業は立った方がやりやすいためです。」

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    子どもが宿題をしているとき

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    一緒に料理をしているとき

誰でも使いやすい 座って囲める『キッチンテーブル』

それぞれのスペースの使われ方を考慮して考えられたゾーニング

使いやすさを追求した設計

目線が合いやすいなど、コミュニケーションを促すとともに、調理などの作業面で使いやすさへの工夫があります。
「3つ目のポイントは、座ったときに調理しやすい形状の追求です。キッチンテーブルの高さは検証から導いた最適寸法にしています。フライパンを振る、包丁を使うなどの動作は、床にしっかり足がつかないと力が入りませんので、ニースペースの高さと奥行きは重要なポイントです。
4つ目は、家族の距離感を大切にするためのテーブルの大きさへのこだわりです。家族の距離感の他に、配膳のしやすさ(お皿の受け渡し)と、調理スペースの広さを比較して、3人用であれば125センチ角が最適とわかり、採用しています。」

  • 誰でも使いやすい 座って囲める『キッチンテーブル』

    最適なテーブルの高さも検証結果から導いた

  • 誰でも使いやすい 座って囲める『キッチンテーブル』

    調理の際は膝の位置が重要、適切な寸法を割り出した

キッズデザインで重要な安全性についても細かな部分にこだわっています。
「5つ目のポイントは子どもの安全に配慮したディティールです。キッチンテーブルの端には丸みをつけています。特にテーブル下が床上60センチとなり、ちょうど立ち始めた赤ちゃんの頭の高さに該当しますので、けがをしないように配慮しています。
コンロはIH式として、移動式フロントスクリーンで油はねを防止しています。」

  • 誰でも使いやすい 座って囲める『キッチンテーブル』

    乳幼児の頭の高さは丸みをつけて安全性を向上

  • 誰でも使いやすい 座って囲める『キッチンテーブル』

    移動式フロントスクリーンで油跳ねを防止

幸せな住まいが広がっていくことを願って

実際にキッチンテーブルを使っている顧客の方の声をいただいているそうです。「キッチンにいる時間が増え、自然と団らんの場になっている」「座りながら作業できるので、疲れにくい」「仕事や家事で忙しくても話しながら仕事をしたり料理したりできるのがよい」など、家族で一緒に過ごす時間を充実させるために、キッチンテーブルが何気ないことでも毎日話せる場所になっているようです。
最後に藤原さんはこう話してくれました。
「体験してみないとその良さが伝わりにくいので、当社のモデルハウスTomorrow’s Life Museum関東・静岡でぜひ体験していただきたいと思います。このような考え方がさらに普及して、幸せな住まいが広がっていくことを願っています。」

    
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