パパになるための「マインド・チェンジ」に貢献するアプリ
掲載日: 2022.12.12
男女の家事・育児の現実と気持ちのギャップ
男女共同参画担当大臣賞「パパninaru」はパパの育児参加を促す、パパ専用のアプリです。開発した株式会社エバーセンスninaru事業部の三木悠輝さんがこう語ってくれました。
「このアプリは、妊娠がわかった段階、あるいはお子さんが生まれた段階で、出産予定日とお子さんの誕生日を入れていただくと毎日子育てや妊娠に関わる情報が配信される仕組みです。妊娠期、育児期の家族の笑顔を増やしたいという思いから様々なアプリの開発、運営を行っている会社です。
パパninaruはパパの意識を変えることを目指して、日々運営、開発しています。国別の男性の育休の取得率を見ると、2021年で13.97と日本は欧米に比べてまだまだ低いことがわかります。フランスのように1週間取得を義務化している国もあります。さらに日本では男女の差が大きいという傾向が顕著です。男性がまだ13.97%であるのに対し、女性は8割を超えています。同じく男女では家事・育児の時間の差も大きく異なります。納得して夫婦がそうしているのであれば問題ないのですが、弊社のアンケートでは理想の家事分担は約6割が5対5という結果が出ています。現実とはかけ離れている状況であることがわかりました」。
妊娠期から育児期にかけて、知っておきたい情報が随時届く
手伝う、でははく自分事でやって欲しいから
ポイントは2つありました。「夫婦でよく話し合いすること、会話をすること」「知識を深めること」。これをアプリを通じて解決することを目指したそうです。
「まず前提としてあるのは、家事分担の比率はご家族で決めた方がよいということです。一方でパパの意識を変えることはやはり必要かと思っています。育児休暇を取得する意識がゼロのまま働き続けたり、『手伝う』という意識で家事や育児をする感覚を変えたいと思っています。弊社はもともとママ向けの妊娠情報アプリ「ninaru」を運用していまして、こちらは現在、国内シェア7割を持っています。レビュー評価数も9万8,000件で4.9と高く評価いただいています。このノウハウをパパにも活かしてはどうかと考えました」。
ママ・パパが気持ちを共有する3つの機能
このアプリには機能が大きく3つあります。そこにはパパが子育てしやすくなるような細かな配慮がありました。「1つ目はママの気持ち、先輩パパのアドバイスというコーナーです。これは夫婦で言いづらいことやどんなに仲がよくても言えないことをアプリが 代弁するという機能です。つわりの時期はとてもしんどい、といった本音や、健診一緒に行きましょう、といった先輩ママのアドバイスがアップされています」。
パパに伝えたいことをアプリが代弁して、当事者意識を持ってもらう
「2つ目はママバージョンとの記事の連携です。妊娠期において必ず知っておくべき情報があります。例えば妊娠のつわりがつらい時期にはママとパパの双方のバージョンで同じ情報を流しています。妊娠後期になるとパパバージョンには保育園の探し方のような情報を流し、ママバージョンには自分の体の情報を流しています。
このように同じ情報の共有と独自の情報の提供を並行して行なっている点が特徴です」。
夫婦では知識量に差があるため、必要な時期に適切な会話や行動を促す
「3つ目がパパ専用コンテンツ『パパペディア』です。このコンテンツは朝7時に読める、通勤時間の1分でサクッと読めるようなビジュアル重視、まとめ重視の記事を掲載しています。最近は育休制度が改正されましたので、育休診断でアンケート5問に回答するとおすすめの育休の取り方がわかるコンテンツも作りました」。
通勤時に手軽に読めるような工夫や適した育休タイプの診断も
サービス開始後、レビューは2万件、評価4.8とユーザーのパパからはとても好評だそうです。さらにママ側からも「旦那が変わりました」「初めてのパパの指南書ですね」といったコメントがあるそうです。