子育て環境やワークスタイルの変化と住宅の音の関係

掲載日: 2023.12.21

子育て環境やワークスタイルの変化と住宅の音の関係

音にこだわる住宅づくりの成果を活かして

現在、在宅ワークが日常化しており、家で仕事をする親が気になるのが「音」の問題です。子育て・見守りと仕事の両立のためにこの音問題をどうするか。その課題にチャレンジした作品「音の自由区」は子ども政策担当大臣賞を受賞しました。大和ハウス工業株式会社住宅事業本部マーケティング室ブランド戦略グループのグループ長、木口正浩さんは開発の経緯を、以下のように語っています。
「『音の自由区』という作品には前身となる作品があります。2006年に発売を開始した『快適防音室・奏でる家』という商品で、2013年にキッズデザイン賞を受賞しています。『音の自由区』の特徴は4つあります。
第一に弊社では住宅の音にこだわり、音の専門スタッフが研究所に在籍し、プロ仕様の音響設計まで行うことができます。
第二に、これまでの防音室は暗くて狭いというイメージがありましたが、弊社では開放感があって明るい空間をご提供しております。
第三に、後付けの防音室ではなく、建物一体で設計・施工ができ、長期的な保証が可能です。
第四は、2006年の発売以来すでに3000 室以上の実績があります。
2020年はコロナが猛威を振るっていた時期ですが、防音室の施工ランキングで第2位になりました。
今回、『音を自由に。音から自由に。』というコンセプトのもとで提案の幅を広げ、『音の自由区』としてリニューアルしました」。

子育て環境やワークスタイルの変化と住宅の音の関係

在宅ワークや子どもの見守りを「音」からのアプローチで貢献

アンケート調査にみる音と暮らしの関係

私たちの暮らしにとって、切っても切れない音の問題。在宅ワークや自宅でのリモート会議など、集中力が必要な場面や、外部の音が気になるシチュエーションは増えているようです。改めて住宅と音の関係に注目した理由について、木口さんは以下のように語っています。
「コロナを経てお客様のニーズが変化してきています。今回の提案の背景を3つほどご紹介します。
1つ目は、子どもの学習環境についての調査結果では、約84%の方がリビングで学習をされているという現状が分かりました。家族がお互いに気を使いすぎてしまったり、距離が近すぎることで集中できない、特に受験を控えている子どもにとっては、リビングでの学習においてお互いに困っているという状況がわかりました。
2つ目は子育て中の騒音についての調査結果です。子育て中に、家の中にいて周囲の音が気になったことがありますかという質問では、約60%の方が『ある』という回答でした。例えば、寝かしつけの際に車や工事の音に悩まされるなどの声が多いことがわかりました。
3つ目は、テレワークが急増する環境で子育てと仕事の両立ができないと思う原因の第1位が『周囲の騒音が気になる』という結果でした。これは男性も女性も同じです。
私たちの強みである住まいの音環境、音を入れない工夫、これを静音ニーズと捉え、これに応える快適静音室を提案しました」。

空間や技術で室内を図書館並みの静けさに

具体的に私たちの暮らしを取り巻く音はどのくらいの規模なのでしょうか。例えば交通騒音と呼ばれる車の音は90dBと言われており、これは地下鉄に乗っていて隣の人に声をかけても会話が聞き取りにくくなるほどの状況に近いと言います。

子育て環境やワークスタイルの変化と住宅の音の関係

室内を図書館並みの静けさにし、仕事や勉強に適した環境に

「これに対し、快適静音室の中に入ると45dB、図書館と同程度の静けさになります。私たちの提案する注文住宅では、リビング階の標準天井高を2.72mとしており、同じ階の静音室も約2.68mの天井高で開放的な空間とすることが可能です。
また、業界最高クラスの遮音性能D-50の独自外壁と、内部に防音パネルを組み合わせることで、より高い遮音性能を実現できます。二重サッシは屋外の交通騒音を低減しながら明るさと開放感のある空間にすることができます。

さらに、開放感を演出する独自の静音ガラス引き戸『静音スクリーン』も特徴です。通常のクロス張りの間仕切り壁と同じ減音目安25㏈を確保し、視線を確保しながら静音に配慮できる優れたアイテムです」。

子育て環境やワークスタイルの変化と住宅の音の関係

室内を図書館並みの静けさにし、仕事や勉強に適した環境に

子育て支援とワークスタイルの多様化の観点から生まれた住宅の提案。身近なテーマでありながら、こうした細部の工夫があることで改めてそのメリットに気づくことでしょう。

    
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