2025.3.11
【キッズデザインコミュ】
「もっと!こどもの視展 こどもになる12の体験」に行ってきました!

もっと!こどもの視展
こどもになる12の体験に行ってきました!
キッズデザイン協議会と会員企業メンバーで構成される<こどもっておもしろいね!楽しいね!>を共有するコミュニティを立ち上げました。第一弾として2023年キッズデザイン賞を受賞したこどもの視点ラボによる『もっと!こどもの視展~こどもになる12の体験~』に行ってきました。 キッズデザイン賞受賞ページはこちら

ご案内いただいたのは、こどもの視点ラボ代表の沓掛さんと尾崎さん。『大人がこどもになってみる』というコンセプトは、もしかしたら大人が子どもになってみれば子どもの気持ちがわかるのでは?というご自身の子育て体験から生まれたそうです。
こどもの視点ラボHPはこちらでは早速みんなで子どもになってみます!


こちらは新生児の頭を180センチの男性に置き換えて展示した【ベイビーヘッド】。頭の重さはなんと21キロ!とっても重いです!新生児の頭ってこんなに重かったのか、とハッと気づかされます。首がぐらっとするのも納得でき、子どもが転びやすいというのもわかります。

こちらは子どものあるあるを集めた【裏こどもずかん】。親たちが子どもを観察した、育児書には載っていなかったような子どもの生態が書かれています。うちの子だけかも…という不安もなくなり、子どもへの目線や対応が異なりますね。出産後もこれからこういうことが起きるんだ!赤ちゃんってこういうものなんだ!ということを知るだけでも子育てが変わりそうです。


【ベイビーボイス】赤ちゃんが泣くことでしかコミュニケーションできない歯がゆさを体験できます。一生懸命「おなかすいた!」と叫んでみますが全く伝わりません。この体験をすれば、電車の中で赤ちゃんが泣いていたとしても、なんで泣いてるんだろう?何かあるんだろうな、という優しい心がうまれそうです!

【4mの大人たち】はVR空間で身長75センチの子どもが大きな生き物(大人)に怒られたとき、どう感じるかを疑似体験できます。子どもにとって大人の身長は信号やキリンの高さと同じ!こんなに大きなものに怒られるのって恐怖なんだ!と反省しきりです。子どもになってみると、叱られている間は恐怖のほうが勝ってしまい、何を言われているのかわからくなるということも納得できます。子どもを叱ったり、話をするときは、目線を合わせることが大切かもしれませんね、と沓掛さん。たしかにそうですね!日々心に留めたいと思いました。

【あなたの知らないおむつの世界】はユニ・チャームさんの協力でできた展示です。見た目も巨大なおむつでとってもおもしろい!おむつは乳幼児になくてならないアイテムですが、パンパンのおむつの重さは大人に置き換えると2キロ以上!!とてもそんな重さのおむつをはいたまま遊ぶなんて想像できません。どれだけ気持ち悪いのか、とこちらでも反省してしまい、パンパンになったおむつをそのままにしていた自分の記憶がよみがえります。 おむつの世界では新生児の排泄物のヨーグルト臭もほんのりします。なんだか懐かしい気持ちになりました。

【2歳の朝食】は子どもと大人の手のひらの大きさの比率を基準に、子どもの世界に拡大した朝食の世界を再現したダイニングテーブル。テーブルはちょうど子どもの背の高さですが、天板が迫りくる感じがとても怖く感じます。テーブルに頭をぶつけてしまうのも納得!牛乳をコップに入れる体験もしてみましたがこれはとっても難しいです。もし牛乳をこぼしてもチャレンジしたことをほめてあげたいですね。

2歳の歩幅体験ができる【2歳でWALK】。親が先に歩いていると子どもにとっては頑張って走るくらいの気持ちでないと追いつけないことがわかります。みなさんは子どもの歩行ペースに合わせて歩いてあげていますか?

【ベイビーアイ】ではIKEAの家具で揃えられた子ども部屋が再現されていて新生児からの“見え方”が体験できます。新生児はこんなに色がない世界なんだ!と驚きです。新生児の頃のぼんやり見えるところから、年齢があがるにつれて赤などの色が見えてきて、2歳ではほぼ全ての色が見えてきますが視野がまだ狭く端の方がぼやけています。このような見え方であれば、子どもが事故にあいやすく、周りが見えていないのも納得です。
※視力の発達には個人差があり、その強弱、色覚にも多様性があります。この研究は、発達と視力の関係についてよくある「見え方」をもとにした内容であることをご了承ください。

月曜日の小学一年生のランドセルの重たさを体験する【大人ランドセル】。180センチの大人に置き換えると荷物の総重量は18.9キロにもなります。大人にも重たく、ぎっくり腰になりそうです。小学生の荷物はランドセルだけではなく、水筒・お道具箱・最後は上履きまで!小さな体を考えるとバランスが悪く、怪我や事故も心配です。子どもの腰痛も問題になっているので教科書を置けるなどの対策はあるようですが、まだまだ小学校や地域によるのが現状です。
そのほか、子どもの1日の生活や時間感覚を可視化したブースもありました。朝起きてから寝るまで、子どもにとって出来事の積み重ねで一日がなりたっていることがわかります。大人との時間の過ごし方や感じ方が違うことも忘れてはいけないなと思いました。

子どもや子育てにやさしくなれる
子どもが生まれたとたん、自分の子どもとひたすら向き合う毎日が始まります。プレパパ教室などで開催されている妊婦体験と同様にこの体験があれば、<子どもってこういう生き物>という理解が進み、子育てがもっと楽しくなる!もっとやさしくできたかもしれない!と感じました。子育てがつらいというネガティブにとらえがちなことをポジティブにできる展示になっていて、日々のちょっとした行動をおもしろがれる気付きにもなり、子どもの行動を観察すると「おっ成長してるな」と感じることができそうです。子どもに関する情報があふれる今、自分が子どもになってみて体験してみると、こんなにも子どもって大変だったんだ!という気づきがありました。
子どもに関する課題解決につながる体験
今は少子化や核家族化が進んだことで、子どもを産み育てる まで赤ちゃんや子どもに触れる機会が減っています。子どもを持つことを不安に思ったり、ネガティブにとらえて、こんなはずではなかった!ということを少しでも減らすためにも、未来のパパママになる中高生にもぜひ体験してほしいと思いました。
子どものために大人が考えた商品やサービスは多くありますが、本当に子どもになってみるとまた違う世界がありました。ぜひ子どものことを学習するのではなく、体験を通して楽しみながら知っていく。一人一人違うんだ!という共感や発見もしてほしいです。
まだまだ虐待や子どもの事故など、悲しいニュースも多い中、子どものことをもっと知れば防げるかもしれない。そして子どもの成長や行動をもっとおもしろがれるかもしれない可能性を感じました。今後はさまざまな自治体や地方への展示展開も検討されているとのことなのでこの気づきが広がることが楽しみです。
私たちもかつては子どもだったわけですが、自分たちが通ってきた道をもう一度体験できるという面白さもあります。それでいて課題解決にもつながる可能性を感じるとてもいい体験でした。
会期は終了してしまいましたが、2025年2月1日〜2月25日に二子玉川ライズ スタジオ&ホールで開催され、展示内容は以下のHPにある書籍でも詳しく紹介・解説されています。
こどもの視点ラボ書籍はこちら
