2022.2.1

サイズ調整可能!家族で共有できる抱っこ紐(前編)

  • はたなブックアカウント
  • LINEアカウント

スモルビの「軽量すやすや抱っこ紐」は、新生児~体重約20キロのお子様まで使えるスリング型の抱っこ紐です。スリング型としてはめずらしくサイズ調節が可能なので、パパママ、おじいちゃんおばあちゃんなど年齢・性別問わず家族で共有できると喜ばれています。 赤ちゃんとママが肌と肌を密着させることで愛情が形成されるというカンガルーケアの時期など、家族とぴったり密着することでお互いが安心でき、赤ちゃんがすぐ寝てくれると人気アイテム!
今回は、スモルビ商品開発課の森田さんに赤ちゃん製品の開発への拘りや、抱っこ紐の人気の理由などを伺いました。

天然由来成分へのこだわり

製品の特長を教えてください。

特に生地にこだわり、天然由来成分を使っています。
伸縮性の素材を入れようと思うと、どうしても化学製品が入ってしまいます。ただ、抱っこ紐は赤ちゃんが直接触れるし、顔周りにくると舐めてしまうので、化学製品は使いたくない。なるべく天然由来のものを使えないかと模索しました。

そこで、赤ちゃんが口に入れても安心なように、ブナの木からできているテンセルモダールという生地を使用することにしました。生地の伸縮性は、使用するごとにだんだんでてきます。すぐ伸縮性がでるような化学成分は使用していないので、着用される方にも肌の弱い赤ちゃんにも安心してご使用いただけます。

常により快適な商品を

企画開発のきっかけを教えてください。

「今販売されている商品と同じ商品は作らない」
抱っこ紐に限らず、商品を開発する際に必ず心がけていることです。
売っている商品の中で完璧な商品はないので、新しい商品を作る時には短所をいかに改善し、よりよい商品を作れるかを考えて企画やデザインをしています。

抱っこ紐は「サイズ調整できない」というのがどうしてもネックになっていました。家族で共有できないだけでなく、自分の使うべきサイズが分からないと購入後の返品・交換が発生してしまうこともありました。そこが短所だと考えサイズ調整は必須でしたね。

どんな商品でも常に改良は必要だなと思っているので、現状の抱っこ紐をいかに改善できるか?ということをポイントに企画を進めています。機能的なものは出尽くされているため、更に快適なものにもっと改良して進化していきたいです。

リアルタイムの“子育てママ”の声を形に

企画開発する中で対象ユーザーに対して配慮したところや苦労したところを教えてください。

サイズ調整といっても、本当に体型は人それぞれです。
どこからどこまでの体型をカバーできるのか?を常に試行錯誤していますが、性別の異なる男性と女性がひとつのものを使うのは難しい。小柄な女性に合わせると、体格の良い方は使えない。どこで妥協するかは本当に苦労しました。

既存のお客様にサンプル品を配って使ってもらい、「ここを改善してほしい」「ここはちょっと…」とご意見をいただき、更に試作品を改良し、またテストしてもらい、を繰り返しました。合わせて、Instagramで商品のPRをしているのですが、実際に新生児から2~3歳くらいのお子様がいらっしゃるお母さま方へモニター募集をし、30名ほどご協力いただきました。


モニター試作でご意見をいただき、ねじれ防止ラベルも追加しました。
Tシャツを着るように抱っ紐をつけてもらうのですが、当初、“ラベルなしバージョン”で試してもらった時に、「ねじれてしまっているのにねじれているかも分からない」「使っていたらおかしいなと思い、見たらねじれていた」「肩布が幅広くてどちらが肩側にくるのかどちらかが腕側なのかが分かりにくく、装着に手間取る」という声があがりました。

また、「赤ちゃんが泣いている時に、ぱっとつけて泣き止ませたい」 「少しでも早く装着できるようにしたい」という要望もありました。
そこで、肘の方にくる左右の端にラベルをつけ、それが肩にきていたらねじれている目印にしてもらい、装着時間の短縮に繋げました。

子育てを経験しただけでは気付かないこともあるんですよね。実際に日々使っていただいて気付いたお客様からの声に驚かされることが多いです。自社でマーケティング、市場調査して、企画して販売して作るだけではたどり着けなかった商品ですね。

「今育児をされているパパママたちに必要なアイテムを作りたい」という思いから、リアルタイムの声を聞きながら商品をつくり、1年もの時間がかかりましたが、そのおかげで販売してすぐに高い評価をいただきました。

後編に続きます。

キッズデザイン賞マーク
文章:池尻 浩子