2025.3.18

≪プラス≫入学・進学に役立つアイテムのご紹介
~こまもりプロジェクトvol.8~

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今回のこまもりプロジェクトでは4月の入学・進学シーズンに向けたおすすめアイテムをプラス様にご協力を頂き、ご紹介いたします。
こまもりプロジェクトとは?HPはこちら

こまもりプロジェクトメンバーが訪ねたのは東京都港区にあるプラス株式会社の本社。2024年度も多くのキッズデザイン賞を受賞された大手文具メーカーです。

子どものやりたいを止めない工夫。
ファーストハサミ『フィットカットカーブトット』

2024年キッズデザイン賞受賞 受賞ページ「フィットカットカーブトット」はこちら

こまもり)世の中にお子さま用のはさみは様々な商品がありますが、こちらの特徴的な部分を教えてください。
プラス)当社では刃先に樹脂カバーがあり、安全性を高め、極力金属の刃が出る量をゼロに近くしているのが特徴です。安全面だけで考えると樹脂製の刃もありますが、一方で切りにくくなってしまうことがあります。保護者の方としては練習のためにハサミをチャレンジさせたけれど、切りにくくて子ども自身が嫌になり切るのをやめてしまったり、工作が嫌いになったりということもあります。
当社ではそういったことがないように、切れ味をしっかりと確保して、少しの力でも切れるように開発しています。刃に指が当たった時にも面として当たるので、安全です。
また子ども向けのハサミは一般的に左右非対称のハンドルが多いですが、あえて左右対称のハンドルにしました。正しい持ち方を大人が教えてあげることで、子どものやる気をそいでしまうこともあります。たとえ逆に持ってしまっても、とにかく子どものやりたい!という気持ちにストップをかけないことを重視しました。
こまもり)安全性を高めつつ、きちんと切れるという点、やりたい気持ちを優先させてあげるのがいいですね。

スプリングがついていて
慣れないお子さんの手の動きをアシスト

こまもり)スプリングはどうなっているんですか?
プラス)スプリングを立てると刃が開いた状態になるのですが、これを寝かせると、しっかり閉まります。年齢や使い方によってもスプリングのオン・オフを変えられるようにしています。
ハサミを使うときは実はすごく複雑な動きが必要なんです。左手と右手が別々の動きをしていて、実は手を開く動作は意識しないとできません。うまくハサミが開けなくて戸惑ってしまう子が多いのでそれを補助するバネを付けました。慣れてきたり、年齢が上がればバネを寝かせて使います。最初からいらないという子ももちろんいます。
こまもり)開く動作もですが、できる子はどんどんいろんなことができてしまって、できない子はみんなと同じものを使っていると、どんどん取り残される。僕は子どもの頃不器用だからうまくできなくて、だんだん工作とか嫌になってしまいました。なので個別に個性に合わせて使えるようにすると、伸びるんだと思いました。
プラス)商品パッケージのキャラクターも、あえて笑顔ではなくムっとしていたり、びっくりした表情の動物になっています。
こまもり)ハサミは基本的に子どもではなく大人の親が選ぶから、パッケージを開けた後に子どもがこれ見ると楽しくなりますよね。あっ動物だったんだ!と。
子どものために選ぶ大事なファーストハサミは安全重視なほうが大人は選びやすいですし、切れない方が危ないということをちゃんと伝えたいですね。

間違いを消すというマイナスをプラスに変える
『エアイン 富士山消しゴム&エアイン フルーツ消しゴム』

2024年キッズデザイン賞受賞 受賞ページ「エアイン フルーツ消しゴム」はこちら
2020年キッズデザイン賞受賞 受賞ページ「エアイン 富士山消しゴム」はこちら

こまもり)次に同じく2024年度受賞したエアイン フルーツ消しゴムと、2020年に受賞しているエアイン 富士山消しゴムの開発の経緯などお聞かせください。
プラス)間違いを直す際に使う消しゴムは、マイナスのイメージを持たれることが多いのですが、直す・消すに「楽しさ」を加えることで間違えることすらワクワクに変えられないか?と<マイナスをプラスに変えていく>をテーマにして作った商品です。形が変わり富士山が完成していく楽しさをデザインしました。
こまもり)日本人だけでなく外国人が好きな富士山なのも人気の理由でしょうか。
プラス)富士山が国内外に問わず人気のモチーフであるため、ご好評いただいています。また、消す機能が高い富士山消しゴムは海外の消しゴムと比べても優れており、デザイン・性能共に海外でも人気があります。
こまもり)うちの子どもは消しゴムをすぐになくしたり、粉々になったり。。。ペンを挿したみたいな穴が開いているときがあります。(笑)
プラス)富士山を作る楽しさがあるので、お子さまが富士山を完成させるために消しゴムを大切にするという話も耳にします。

消しやすさにこだわったロングセラー『エアイン』

こまもり)とても消しやすいのですが、技術的なことでプラスさんのこだわりは?
プラス)フルーツ消しゴムも富士山消しゴムもロングセラーでご好評いただいているエアインというシリーズです。
目に見えない小さな穴のたくさんある多孔質セラミックスパウダーを配合しており、それが軽い消し心地を実現しています。
こまもり)またスリーブにあるカーブは何のためですか?
プラス)よく角を使って強く消そうとすると消しゴムが折れて割れてしまうことがあるのですが、カーブをつけることで力をかけても限りなく角にかかる負荷が小さくなり、割れにくくなっています。
また、フルーツ消しゴムは本物の果物を剥く作業をイメージできるように、スリーブも剥いていくようなしかけになっています。
こまもり)断面もとても精工ですね!本当にバナナの皮を剥いているようで楽しいですね!
プラス)できるだけ精巧に作り、消しやすいという消しゴム本来の性能は落とさないことを目標としています。また四角い形であることによっておもちゃではなく、消しゴムであるということがきちんと伝わるよう意識しています。でも使っていくとどんどん丸くなって、バナナになっていくというストーリーです。
かわいいだけではなく、使ってこそ、消えてこその消しゴム!というのがこだわりです。

スリーブ問題を解決する
ケース消しゴム『Clutto(くるっと)』の開発

2022年キッズデザイン賞受賞 受賞ページ「Clutto(くるっと)」はこちら

こまもり)2022年には同じくケース消しゴム『Clutto(くるっと)』が受賞されていますね。
プラス)はい。実はこの商品は一般的な消しゴムとほぼ同じ厚みです。握り心地や消し心地も使い切るまで変わらずに、紙スリーブの代わりに樹脂製のケースに入っているので力が込めやすくなっています。消しゴムのスリーブはなくしたり、邪魔になったり煩わしい印象がありますが、商品名のようにくるっと回すことで消しゴムを出し入れすることが可能です。
こまもり)対象は中高生でしょうか?
プラス)中高生はもちろん、小学校低学年のお子さまにもお使いいただいています。力加減ができなくて消しゴムが折れてしまうことがあると思うのですが、ケースに入っているので割れません。先ほどのフルーツ消しゴムよりも消しゴム自体が少し硬く作られているため、折れない・割れないという特徴があります。詰め替え用の替えゴムもお安く購入できるので、経済的です。

子どもにとって文具は身近なおもちゃ

こまもり)どちらも開発までには苦労したのでしょうか?
プラス)文具は子どもたちにとって一番身近なおもちゃだと思っています。いかにそれを楽しんで選んでもらえるか。富士山消しゴムで言うと、シンプルなデザインではありますが、左右対称で綺麗な富士山型ができるように中身の白い部分の配分はこだわりました。
こまもり)子どもにはご褒美というと、つい我が家も文具を選ぶことが多いです。文具だと親としてもホッとしたり、納得できます。
プラス)文具はコミュニケーションのきっかけにもなりますよね。かわいい文具を自分で選ぶことは、洋服と違って比較的安価でわくわくできます。自分のお小遣いで買ったり、お友達とお揃いにしたり、文具をきっかけに楽しんでもらえたらと思います。

次号のVol.9では引き続きプラスさんの商品をご紹介します。
こまもり通信vol.9はこちら

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