2024.3.22

【経営者による意見交換会】【基調講演】 「社会の変化を学ぶ プログラミング教育の今 全新入社員がプログラムングの基礎を持つ時代」

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【基調講演】
「社会の変化を学ぶ プログラミング教育の今 全新入社員がプログラムングの基礎を持つ時代」
株式会社アントレキッズ 事業責任者
太田可奈氏

■ジブンの“未来”を描くチカラを育む

アントレキッズはITを活用した実社会型のキャリア教育を実践するスクールです。恵比寿・三軒茶屋を中心に全国でプログラミングや動画制作、子どもたちが自らの会社を運営するカリキュラムを開発し、「子どもたちがジブンの“未来”を描くチカラを育む」プログラムを提供しています。

「稼ぐ体験を通して働く経験」のカリキュラムと独自の仮想通貨「エンターコイン」がスクール内に流通。子どもたちは企画の立案・プレゼン・価格交渉したり、遠方の教室の生徒とのzoomミーティングやウェブ上に求人票を掲載し面談したりする実社会に近い学びの教室となっています。

太田氏は、「ビジネスへの興味や関心を持つためのキャリア教育、ビジネス教育として、このような手法を採用しています」と話します。

■地域を知る

アントレキッズは、企業とのコラボレーションが盛んで、例えば、ゲーム会社のコナミと「桃太郎電鉄」のプログラミングイベントを開催しています。子どもたちは自分の住む地域の特産物や観光地等から駅やマスを作り、Scratchでプログラムするというもので、これまでに各地で58回開催。約6000名もの応募があり、その中から約1200名の子どもが参加した人気のコンテンツです。

また、リサイクルショップのブックオフと神奈川県相模原市の大野小学校、教育委員会が協力してCM制作の授業を行いました。子どもたちはSDGsやリユースを学び、ストーリーを考え、プロの撮影に参加。保護者や地域住民を招待してCM試写会を行い、資源回収に繋げました。

この他、凸版印刷や湘南ベルマーレ、SDGs協会、eスポーツ高等学院等、多くの分野の企業・団体と協業し数多くのカリキュラムを展開しています。

豊富なカリキュラムは、自分が住む地域を知ることと、プログラミングを掛け合わせたもので、子どもたちの「シビックプライド」を育みます。
シビックプライドとは、郷土愛やまち自慢とは違い、「この地域をより良い場所にするために自分自身が関わっている」「自分がこの地域の未来を作っている」という当事者意識のこと。

太田氏は「シビックプライドを持つ住人が多い地域は、とても活性化しています」と言います。

■ICT教育をデザイン

「一人1台端末」の環境が整備され、教育現場で本格活用されているものの、ICTの活用方法が分からない等の課題に直面している学校が多いのが現状です。

アントレキッズでは、地域の企業を巻き込んだコラボ授業を構築し先生たちに授業の作り方の勉強会をしたり、ICT支援員やICT活用アドバイザー等と連携可能な企業との橋渡しをしたり、先生たちのITリテラシー向上と負担削減にも尽力します。

特に高校で必修化されたプログラミング教育の課題は深刻です。高度なスキルが求められるため先生の負担は大きいため、専門性が高いエンジニアが多数在籍する企業と一緒にサポートしています。ネットリテラシー教育のほか、安定したネットワーク環境の保持といった課題もあり、ICTをどう活用するかというデザインが重要です。

■10年後の子どもたち

インターネットが当たり前の環境で育ってきた子どもたち。趣味で映像編集をしたり、ゲーム開発をしたりしている子どもたちも近い将来、社会人となります。

太田氏は、「このような子たちが社会に出てくるのは、目前です。ぜひ、新卒教育を考えてみてほしいと思います」と、扱い方を考えておく必要があると呼び掛けました。
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