2024.3.22

経営者による意見交換会【事例紹介】TEPIA特別賞「ほぼ日のアースボール」

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【事例紹介2】
TEPIA特別賞 「ほぼ日のアースボール」
株式会社ほぼ日 CTO
清木昌氏


■地球を手の中に

台座もアームもないボールのような地球儀、「ほぼ日のアースボール」。
AR技術を使った地球儀で、アプリ(無料)をダウンロードしたスマートフォンやタブレットをかざすと、世界中のさまざまな情報を見ることができます。

スマートフォンやタブレットがあれば世界各国の情報から時々刻々と変化する雲の様子、さまざまな図鑑、ついには地球を飛び出して月や太陽系の惑星まで知ることができるのです。こうした豊富なコンテンツは子どもだけでなく大人も楽しめるツールで、使い方はそれぞれ。


ほぼ日の代表、糸井重里氏はインタビューの中で
「地球にいるやつが地球を持ってる」「台座やアームがなくて、かるくて、丸くて、転がしたり蹴ったりできるボールのような地球儀」をコンセプトにアースボールを作ったと話しています。

国境や国名のない地球儀「ほぼ日のアースボール」 は勉強のために開発されたものではありません。
とはいえ、学びにも大いに活用でき、アースボールを入り口として興味や関心を広げていくと社会の課題などにも目を向けることが可能です。

■好奇心をくすぐるツール

ほぼ日では、2023年の夏休みに小学校4〜65年生を対象にワークショップを開催しました。
会場は、同社が展開する動画サービス「ほぼ日の學校学校」の教室スタジオ。ここは、同社が動画のサブスクサービスを行う社内の撮影スタジオです。このスタジオで、「たのしく地球を救っちゃおう!」をテーマに、アースボールを触りながら、地球に対する興味を高めてもらったといいます。


アプリの豊富なコンテンツを使えば、アースボールは何でもできます。今、世界で何が起こっているのか、どんな困り事があるのかを知って、解決方法を考え、グループごとに発表してもらう。

参加した子どもからは「地球温暖化の深刻さや貧富の差、教育が受けられない問題に、改めて目を向けることができました。クラスメイトや先生にSDGsのことを話して広められるといいです。自由研究はSDGsと台風・天気を調べようと思います。出来上がったら送るので見て欲しいです」といった感想も寄せられました。

後日、素晴らしい出来栄えの自由研究が送られてきたといいます。


おすすめコンテンツベスト3。清木氏はこの中で「好きな国を調べる」「面白いと思う」という言葉に着目し、嬉しそうにこう話します。

「好きや、面白いというキーワードで語ってくれるのは、我々にとって、とても嬉しいことでした。自分の好奇心をぶつけていくことで学びにつながっていくのです。これがほぼ日のアースボールの魅力です」

■国内で1820万個以上販売

ほぼ日は、人々が集う「場」をつくり、「いい時間」を提供するコンテンツを企画、編集、制作、販売する会社。社員一人一人が「これはいい!」と思ったものを、それぞれの形で世に送り出しています。

ほぼ日のアースボールも自社で開発。これまでに国内で累計1820万個以上を販売しており、さらに海外にも広げていく予定だといいます。

地球を俯瞰で見られるのが特徴的で、清木氏は「インタラクティブに発展的なアプリになるように開発しています。自らの好奇心のまま探っていくと、色々な発見があるようなアプリを国内外に展開していこうと計画しています」と語り、今後の「ほぼ日のアースボール」の展開に注目してほしいと呼びかけました。
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