2024.3.25

「発見!子どもを守るための情報取得に有益な「学会レポート」〜こまもりプロジェクト〜」vol.3

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こまもり通信vol.3
子育てを皆で「一緒に」考えたい!〜日本子育て学会レポート〜



2023年11月18日(土)19日(日)に新潟青陵大学にて、「子育てを共に分かち合う」ことをテーマに子育て学会が開催されました。

キッズデザイン協議会からは、こまもりプロジェクト(子どもを守る情報の森プロジェクト)メンバーが参加してきました。
※こまもりプロジェクトとは
「子育てに関する安全・安心の適切な情報を、保護者に提供したい」という目的から発足した子どもを守る情報の森プロジェクト。

詳しくはこちら

こまもりプロジェクトメンバー

こまもりプロジェクトの発表テーマは 「保護者の子育て情報取得におけるSNS利用のメリットとデメリット」について。 今回は、学会での発表内容や参加に至る背景などを伺いました!

Q:日本子育て学会に参加された背景を教えていただけますか?


舟生:こまもりプロジェクトのメンバーでもある加賀谷さんが、日本子育て学会の理事を務められていることがきっかけで参加しました。

元々、こまもりプロジェクトは様々な企業が集まって開催されているものなので、プロジェクトとして調べたものを、届けたい方にアウトプットしていきたいという気持ちはありました。

日本子育て学会は、子育てに関心を持っている方なら誰でも会員になることができる市民参加型の学会なんです。保護者の方初め、保育園の先生・幼稚園の先生方もいらっしゃる。私たちの研究した内容が届けたい方にダイレクトに伝わるのも魅力的でした。

また、同じ目的を持った専門家の人たちや第3者の方と意見を交わしたり、繋がりができる、それも大きな目的でしたね。

※日本子育て学会とは
日本子育て学会とは、研究者・支援者・保護者が三位一体となって子育てについて考えていこうとする学会です。年に一回の大会では研究発表だけでなく保育園や幼稚園の取り組み、保護者の子育てに対する想いなどもテーマに、様々な企画を行なっています。子育てに興味がある方ならどなたでも参加できます。
HPはこちら

Q:こまもりプロジェクトとしては、具体的にどんな内容を発表されたのですか?


福田:2022年度に未就学児の保護者の方へ、SNS利用についてをテーマに座談会を実施しました。その座談会から読み取れることを研究発表としてまとめました。

Instagramなどの SNSや、その他の媒体をどのように使い分けて情報収集しているのか、またそれらの媒体に対してどのような信頼感と不安を持っているのか状況を知りたいと思い実施しました。


保護者の方へお聞きしたことは
・SNSの使用頻度等 (頻度、子育て情報閲覧の割合、投稿の有無、よく利用するSNS)
・子育て情報についてSNSでどのような情報を入手しているか
・SNSによる情報の信頼できる部分と不安な部分
などについて。

※図は、座談会の時に保護者が発言された内容をキーワードごとに分類したものです。

座談会を通して、
・「ピンポイントで調べたい情報がある場合」はウェブサイト
・「病気や普段の困り事、出産など経験が必要なもの」については医師や保育園の先生、家族に相談
・「生活スタイルや暮らしの中での最新情報やお出かけ情報を得る」ために利用はインスタ
など
手にいれたい情報の内容によって、媒体を使い分けされていることが分かりました。

また、最新の情報を入手するために、 頻繁に更新されるSNSはInstagramや旧Twitter(現 X)が活用されていたという傾向も分かりました。
ただ、情報の信頼性という点では、「信頼しきってない」「医療系は信じない」などの意見もありSNSを使う側のリテラシー教育も必要になってくる。

そのような傾向にあることを調査内容として発表してきました。



Q:実際に、学会に参加されてみての感想を教えてください


金子:私たちの調査は、「誰でも子育てに関する情報が 簡単に入手できる現代の保護者が、果たして適切に情報を得ることができているのか」ということテーマに研究していますが、他の団体の研究内容では、「スマートデバイスを子供が使い始めて、それに対して親がどう関わっていけばいいか?」ということだったり、似ているようで対局。同じ、情報化社会のテーマでも、色々な観点があるのが面白かったですね。

森口:「コロナ禍でママ友との繋がりが変化した」とか、「ママ友との繋がりが減ると、パートナーに期待するところが増えるかというと、そんなに増えていなかった」という興味深い発表もありましたね。

Q:今後に繋がる気づきなどあれば教えてください


福田:今回は、Instagramや旧Twitter(現 X)など、先行研究の中で頻度が高かったSNSを中心に調査を行いましたが、「チャットGPTやTikTokについてはどうか?」というご質問などもいただきました。今後、そういうものも力を持ってくると思うので、それらとの関わり方などの調査も必要になってくるなと考えています。

また、子育ての情報取得手段について、書籍について、最近の保護者はあまり重点を置いていない傾向が見られましたが、従来は一番多く使用されてきた経緯もあります。 書籍の活用方法については、新たに見直しが必要になってくるのではとも感じています。

最後に(ライターまとめ)
子育てに関する情報収集において、無意識に行っていることが多くありましたが、こうして傾向をまとめていただくことによって、情報を取り入れるときに信頼性も含め、ワンクッション検討するきっかけにもなりますよね。大切な我が子だからのことだからこそ、情報を取捨選択する力を身につけたいものです。
文章:池尻浩子
キッズデザイン賞マーク