2022.3.16

世界初!安全基準「Eマーク」取得のチャイルドベルト(後編)

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前編からの続きです。

世の中になかったものを伝える難しさ

輸入製品を日本で展開するにあたって、工夫されたことや苦労されたことなどを教えてください。

もともとチャイルドベルトというのは世の中にないものだったので、輸入製品を日本で展開するにあたり、まず、そういうものがあるということを知ってもらうことに今も苦労しています。
大人用のシートベルトだとお子様の顔に当たることがありますが、チャイルドベルトを使用することで高さを調整できるようになります。
ただ、市場には似たようなEマークがとれていない商品も出回っています。単なる調整器具ではなく、論理的な説明と試験結果から他の製品との安全面の差別化もしっかり伝えていくことが大切だと思っています。


一歩踏み込んだ安全性の検証

子ども向け製品を企画されるにあたって、大切にされていることを教えてください。

私達はお店を構えていないので、購入いただく先は、小売店のバイヤーさんや問屋になります。
ただ、ご使用いただける親御様、お子様の目線で常に企画は行っています。スマートキッズベルトは、コンパクトや手軽さなど、メリットはたくさんありますが、ご利用者様の物理的・心理的安心には最も考慮しています。安全第一の商品です。
クラッシュテストでは「頭にかかる衝撃、胸にかかる衝撃、おなかにかかる衝撃」等いくつかの基準があります。 スマートキッズベルトの安全テストでは、頭と胸に対する衝撃はチャイルドシートよりも低いという結果がでています。シートベルトで保護しているので、身体があまり動かないという利点があるんです。

事故をした時の検証では、チャイルドシートは、しっかり装着していても動くという結果があったり、そもそもチャイルドシートが正しく取りつけられていなかったという2次的な原因もよく問題になったりします。
調べるのは大変かと思いますが、なぜチャイルドシートが安全なのか?なぜスマートキッズベルトが大丈夫なのか?など一歩踏み込んだ安全性の根拠や、製品ごとのメリットデメリットなどをみて製品を選んでいただければと思います。

お子様にとって安全の追求を

今後、取り組んでいきたいことや想いなどあれば教えてください。

チャイルドシートはEマークがついていないと、国の認証を受けていないことになるので、本来は市場にはあるべきではないのですが、Eマークがついていないものも実在します。
ベルト型商品では、Eマークがとれているのは世界でスマートキッズベルトだけですが、チャイルドシートも、ベルト型補助装置も必ずEマークのついた商品を選んで頂きたいです。
チャイルドシートの装着は、日本では6歳までという制限がありますが、海外の多くの国では12歳までチャイルドシート装着が法律で定められています。私たちは、年齢ではなく体重など子供の体格に合わせてチャイルドシートやスマートキッズベルトの使用を積極的に啓蒙し、子どもの安全を第一に考えていきたいです。

スマートキッズベルトが取得しているEマークは国際基準をクリアしており、チャイルドシートとの比較も何度も行い安全なものではあります。ただ今後も、これ以上の認証にはなるわけではなくコストもかさみますが、日本での関係機関などでも安全の試験を行って、更に安心してもらうために安全の追求をしていきたいと思っています



キッズデザイン賞から広がる世界

キッズデザイン賞に応募しようと思われたきっかけと受賞後の変化を教えてください。

認知度が高い賞をいただくことで、信頼性が上がると思っています。今回の受賞の背景もあり、東京都の取り組み「チルドレンファースト」の社会を創出する「こどもスマイルムーブメント」にも参画することになりました。今後も未来の子供たちのために私たちができる形で貢献していきたいと思います。

私自身、子どもを育てているためチャイルドシート、キッズシートと子どもの成長に合わせて買い揃えてきました。選ぶ基準はもちろん安全性。ただ、市場にでているから大丈夫なのではないか?知っているメーカーだから大丈夫ではないか?という憶測での安心感を得ていたような気がします。今回、取材を通して製品を選ぶ基準、そして国内だけでなく世界にも目を向けてみる大切さを教えていただきました。