2022.4.11
働くパパママ リレーコラム vol.2~「いつでも帰ってこられる、失敗できる、安心できる場所」を作りたい~栗田加奈子さん
「いつでも帰ってこられる、失敗できる、安心できる場所」を作りたい
今年、育児を始めて丸10年になります。
この取材の話をいただき、改めて子育てや仕事、私自身の生き方などを振り返ったとき、ターニングポイントは3つありました。
その3つと私にとって大切な存在のコミュニティ運営のお話もさせていただければと思います。
ターニングポイント1:長男の出産
仕事も納得するまでして、子どもが欲しいと望んで望んでようやく妊娠したので、子どもが生まれたら、これをやってみたい、あれもやってみたいと子育てに対してとてもポジティブな気持ちでいました。イメージすることは、我が子と笑顔で過ごす毎日!
でも、いざ産まれてみたら1年くらいは3時間以上まとめて眠れない。日々睡眠不足と闘いながら、思っていたよりも小さい赤ちゃんに対して「ちゃんと育てられるの?」と不安でいっぱいでした。産まれた瞬間も涙がとまらなくて。きっと、妊娠中に想像していたことと現実とのギャップに頭でわかっていても心がついていかなかったんだと思います。
私は元々アクティブな人間で、交友関係も広く、いつも誰かと活動することが好きでした。
でも、子どもが産まれてからは、行く場所がない、行きたい場所がない。近所で開催されている親子教室には何もときめきを感じずに悶々としていました。
その時、友人に習い事の先生が多かったこともあり、子連れで参加できるクローズの会を企画したんです。天然酵母のパンを作ったり、フラワーアレンジメントを習う会などとにかく、自分がやってみたい!と思う会を。活動し始めると、周りには「実は子どもがいるから自分がやりたいことをあきらめていた」「親に預けてまで自分の時間をつくることに罪悪感を感じていた」という人達がたくさんいたんですね。
それを聞いて、だったらみんながやりたいと思うことをカタチにするコミュニティを立ち上げたらいいのでは?と思い、長男が生後半年で立ち上げたのが、1つ目のコミュニティでした。
家庭でも仕事でもない自分自身の時間を持ちたいと思うのは私だけではなかったんですよね。
ターニングポイント2:母の死と東京への引っ越し
上の子どもが3歳、下が1歳の時のことです。母がすい臓がん末期で余命1か月の宣告を受けました。
私は出産前に独立してフリーランスの形をとっていたので、仕事は自由にスケジュールを組め、毎日母のところに行き、食事の手伝いや父のフォローができました。
海外にいた主人の母もすぐ帰国してくれ、そんな私を支えてくれましたが、仕事と母のこと、自分の家族との両立、ママからまだ離れられない子どもたちのお世話と、正直あの頃の記憶はあまりありません。
母は旅立ってしまいましたが、最後に家族みんなで向き合える時間がもてて本当に良かったです。命っていつ終わるか分からない、だからこそ日々後悔しないように生きていきたいなと思わせてくれました。
普段から「もし、この1年しか生きられなかったら私は子どもたちに何を伝えられるんだろう?」と思って子育てをしています。1つ伝えたいのは「どんな社会になっても自分で選択した未来は自分が作っていけるんだよ」ということ。例えばこれはやるかやらないか?誰と遊ぶのか?何を学ぶのか?「一つひとつの毎日の選択の積み重ねが本当にやりたいことができた時に、あなたのためになるから色んなことを知った方がいいよ。知らずに選ぶよりたくさんのことを知って選ぶことがすごく素敵なことだよ」と、そうやって世界が広がることを知ってほしいのです。
そして、母を見送った直後、主人の転勤で誰も知り合いのいない東京へ家族で引っ越すことになりました。
保育園探しも苦労しながらも、なんとか預け先ができ、新生活をスタートし始めた頃、
周りの親御さんが習い事を始めだし、次は教育に目を向けなきゃいけないんじゃないかと焦る気持ちがでてきました。その焦る気持ちも私の場合、コミュニティへ目を向けました。
子どもたちが本物を体験するというイベントを毎月行いました。例えば、プロのお花屋さんからフラワーアレンジメントを教えていただいたり、バームクーヘンの会社にお願いし、パティシエ体験させていただいたり。仕事もありいくつも習い事に通わせられない分、月1回は親子で豊かな時間を過ごすごとにより、焦る気持ちはおさまっていきました。
子どもと一緒に体験する時間をとれたことで、最終的には親も満足できる。子どもたちに愛情も体験価値も伝えられる貴重な時間になりました。
親子で一緒に体験することも大切だけど、親がひとりで過ごす時間も大切ですよね。
子どもがいると洗い物している最中だって「ママ、見て~」「ママ、あのね~」と手を止められ、たった10分で終わることが全然終わらない。マンツーマンだと穏やかに向き合えない時も多々あります。そんなジレンマもコミュニティで解決できないかな?と考えました。出来れば、コミュニティで色々な人と子育てしたいなと。
みんなで関わることによって、出来る人が出来ることをやる。助けてくれる人がいるから気持ちに余裕ができて優しくなれる。自分の子には簡単に言えない「やってみたら?」という言葉も言えるんですよね。子どもたちを見守りながらチャレンジさせてあげられる。そうやってコミュニティでの子育てに助けられるようになっていきました。
ターニングポイント3:長男が小学校に入学
長男は言葉が遅くて3歳頃まで全然話せなかったんです。言葉に詰まり、分からないことを言えない。食べられないものを保育園の先生に言えなかったなど、生活の中で困ることが多くなり発達相談にも通っていました。
そんな背景もあり、小学校に入学して宿題などみんなと一緒のことをやるとなった時に、彼なりに頑張っていることを「学校ではこうしなきゃいけない」とか「みんなと同じ学級に行かせるためにはここでつまずいちゃいけない」と私が囚われるようになりました。
ある日、ふと気づいたら子どもをものすごく怒っていて…。
私自身、興味のあることを専門学校で学び、やりたいことを仕事にしてきたので、勉強ができなくても生きていく力をつけることができると思って生きてきました。なのに、今の私は嫌がっている子を机に向かわせて泣きながら宿題をやらせる。「私こんな子育てしたかったんだっけ?」「こんなお母さんになりたかった?」と立ち止まりました。
そして、「このままひとりで子育てしていたら、小学校の壁を乗り越えられない!」と思って立ち上げたのが【小学生親子のキッズオンラインサロン】4th Placeなんです。
4th Placeでの活動や魅力
親も子どもも、家庭・学校・塾(習いごと)以外の4つ目の場所が必要だなと思いました。
もっと自由に自分の個性を活かしながら色々な人と関われる場所を作りたかったんです。以前の経験もあり、ひとりが声をあげれば「私もなんだよ」と、同じ思いの人と繋がれるんじゃないかという思いもありました。
家庭・学校・塾(習いごと)以外のもうひとつの場所
【3世代で子育て!小学生親子のキッズオンラインサロン】4th Place
4th Placeは大人も子どもも「もっと自由に!」をコンセプトに子ども同士、親同士、先生と親、子育てに関わるみんなとコンテンツやルールやコミュニティ自体も自分たちで創るという、与えられる場所ではなくその過程も楽しみ成長できる参加型のコミュニティです。https://www.4thplacekids.com/
4th Place には4つのスローガンがあります。その一つに「失敗しよう」というのがあります。
ワクワクすることをやってみよう!とやってみるけど、上手くいかなかった場合、そんな時はみんなで「のびしろ~!」「4回失敗するくらいがちょうどいい」と言いながら活動しています。失敗したこともすべてキャリアになると思っていて、このスローガンがみんなの可能性を広げています。
また、4th Place には8人のZ世代の子たちが活躍してくれています。現在は14個のプログラムに携わってくれていて、子どもたち・大人たちと関わってくれることも魅力です。
子どもたちにとっては、親でもない兄弟でもない、近所に住んでいるわけでもないし、親戚のお兄さん、お姉さんみたいな感じ。親にも言えないことも言えることもある。親から言われることも彼らから言われることの方が素直に聞けたりするんですよね。
「いつでも帰ってこられる、失敗できる、安心できる場所が作れたらいいな」と思っています。
こういう時代で、クローズドで家庭だけになりがちだから、他の人とのコミュニケーションを生むことはこれからもっと大切になってくる。
これからうちの子どもたちも思春期に入っていくので、コミュニティで企画を出して「助けてもらおう」と思っています!今悩んでる、と言える場所があるだけで救われる瞬間がありますよね。
私にとって、いつの間にかコミュニティがライフワークになりました。自分自身も子育てもバランスを保つことができ、自分が自分らしくあれる場所。
もちろん、上手くいかなくて落ち込むこともたくさんありますが、今見えている景色、今関わってくれている人を大切にして支え合って生きていければ、泣いてもまたみんなで笑っていけるね!と思っています。
使ってみました!キッズデザイン賞
「ウィーケンおうちから世界への好奇心を育むオンライングローバルスクール」
グローバル以外にも豊富な内容のオンライン授業を受けることができました。コロナ禍の休校中でも世界中の様子が知れたり、オンラインでもお友達と話したり交流できることが子どもたちには大きな支えだったと感じます。ウィーケンは探求要素が多いので、そこから好きになり普段も興味をもった様々なことにより深く探求する力がついたと感じました。
「子どものプリントかんたん管理アプリ『プリゼロ』」
小学生2人分ともなると1学期間でもかなりの枚数になります。お知らせの見落としがあったり、どこにいったかな?と探すことも多かったのですがプリゼロのおかげで夫婦での共有もスムーズになり助かっています。
「ワンダーボックス」
ゲームや工作を沢山取り入れることで、子供達は楽しく取り組むことができていました。工夫すること思考力を伸ばしてくれる教材でした。
【PROFILE】栗田 加奈子さん
関西出身 東京都在中6年目
小2、小4男の子、2歳年上のご主人と4人暮らしのワーキングママ
法人経営者として、企業の人材育成講師業、ブランディング・コンサル、美容コラムの執筆等、活動している。その傍らライフワークとしてコミュニティ運営を10年以上行う。
現在は、キッズオンラインコミュニティ4th Placeを代表として運営。
https://www.4thplacekids.com/