2025.11.7

【レポート】インクルーシブ・キッズデザイン
「超福祉の学校」へ行ってきました

  • はたなブックアカウント
  • LINEアカウント

キッズデザイン協議会の調査研究事業で活動しているインクルーシブ・キッズデザインプロジェクトのメンバーが今年の5月に取材をさせていただいた「ピープルデザイン研究所」古市様よりお誘いいただき、*1『超福祉の学校』へ見学に行ってきました。
超福祉の学校は2021年から開催されており、今回が5回目の開催となります。

*1「超福祉の学校」概要:
「超福祉の学校」は、障害の有無を超えて共に学び生きる社会を目指すフォーラム。2018年に文部科学省とNPO法人ピープルデザイン研究所が開始し、2021年からは「超福祉の学校@SHIBUYA」として渋谷区も共催。障害福祉や教育の枠を越え、多様な登壇者が全国の実践や最新事例を発信し、誰もが時間・場所を問わず学び合える場をつくっている。

*****************************************
■超福祉の学校概要
・名称:超福祉の学校@SHIBUYA 2025
・開催日:2025年10月28日(火)~11月4日(火)
・会場:渋谷ヒカリエ8階
・主催:NPO法人ピープルデザイン研究所
・共催:文部科学省、渋谷区、東京都教育委員会、株式会社丹青社
・参加費:無料
*****************************************

インクルーシブな「室内型公共空間」

入口にはポスターが掲げられていて誰でも自由に、しかも無料で入場することが出来ました。
会場内ではインクルーシブな「室内型公共空間」をテーマにインクルーシブ遊具・図書・テクノロジー・アート・音楽などを、みて・きいて・ふれて、体で感じる体験ができました。

渋谷の街の立体模型です。目の不自由な方でも模型に触れて、渋谷駅やヒカリエ、ビル群の大きさ、形、位置を確認することができます。
右の写真はウイルスを拡大したものです。どのような形か触れることができます。

中に入ると係の方が一つ一つの展示を丁寧に説明いただきました。2019年にキッズデザイン賞を受賞した「Ontenna」を体験することができました。

箱の中に動物の模型が入っていますが、すりガラスではっきり見えないようになっています。ぼやけた形から何が入っているか想像します。 目が不自由でぼやけて見える方はこんな感じで見えているのかなと、想像することができます。

聴覚障碍者の人たちが作成した指文字をタブレットで読み取り解読します。会場では5つの文字が隠されていて。解読した文字をつなぎ合わせると一つの言葉になりました。

インタラクティブ・フロア・プロジェクションを活用したICT 教育システムです。プロジェクターから投影された映像に手や足で触れることで学習したり、ゲームを楽しむことができます。写真は映し出された画像を足で踏むと花が消え楽しく身体を動かすことができます。

見学を終えて

「超福祉の学校」では、障害の有無や世代を超えて多様な人々が交わる空間づくりが体感できました。会場には最新の福祉テクノロジーや、誰もが楽しめる遊具・デザインが並び、見て・触れて・聴いて“共に生きる社会”を五感で感じることができました。登壇者のトークでは、教育・地域・企業が連携しながら社会を変えていく実践事例が紹介され、共生の在り方を考える貴重な時間となりました。オンライン配信も含め、どこにいても学び合えるこの仕組みにも大きな可能性を感じました。
キッズデザイン賞マーク
文章:渡辺洋己