2025.11.17

科学的な子育て支援と地域~日本子育て学会参加レポート~
『保護者の子育て情報に関する事例分析』を発表しました

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科学的な子育て支援と地域〜日本子育て学会レポート〜

2025年11月1日-2日、同志社大学にて「科学的な子育て支援と地域」をテーマに、日本子育て学会が開催されました。キッズデザイン協議会からは、こまもりプロジェクト(子どもを守る情報の森プロジェクト)メンバーがポスター発表に参加しましたのでその様子をレポートします。

※こまもりプロジェクトとは
「子育てに関する安全・安心の適切な情報を、保護者に提供したい」という目的から発足した子どもを守る情報の森プロジェクト。
こまもりプロジェクトとは?HPはこちら

ポスター発表
『保護者の子育て情報取得における情報ソースの使い分けの事例分析』

本研究では、保護者が子育てに関する情報をどのような手段で収集しているのか、またその情報源をどのように使い分けているのかについて、具体的な事例をもとに分析を行いました。SNS、行政機関、育児関連サイト、書籍、専門家など、多様な情報ソースが存在する中で、保護者が状況や目的に応じて選択している実態を明らかにすることを目的としています。

今回の分析から、保護者の方それぞれに「情報の集め方」や「信頼する情報源」に違いがあることが明らかになりました。これは、日頃どのように情報を得ているかとも深く関係しているようです。そのため、「SNSだけで情報を発信すれば十分」というわけではありません。
一方で、多くの保護者にとって重要なのは、「今この瞬間」に「自分の子どもにぴったり合う」情報を見つけられることです。その点においては、SNSが有効であることも見えてきました。
今後は、さまざまな情報源をうまく組み合わせることで、質と鮮度の高い情報を発信していくための検証が必要である、という内容で発表を行いました。

■学会を振り返って
ポスター発表では、ChatGPTのような新しいツールが話題に上がるなど、情報ソースは常に変わっていることを実感しました。その一方で、どんなに情報が増えても「ひとつの情報だけを頼りにする人は少ない」という点は変わらないように思います。多くの保護者の方が、いくつかの 情報を見比べて、自分や子どもに合う形で取り入れています。だからこそ、変化に対応しつつ、信頼できる情報を保護者のかたに届けられればと改めて感じました。(コンビウィズ森口さん)

学会当日は研究会メンバーでもある秋草学園短期大学加賀谷先生がご参加されたシンポジウムに参加したり、偶然にもキッズデザイン賞を受賞された先生や企業の方ともお会いすることができました。研究者や実務者の皆様と活発な意見交換を行うことができ、現場の声や多様な視点をいただくことで、今後の研究の方向性や実践への応用について多くの示唆を得ることができました。
今後も、保護者支援や子育て環境の向上に資する研究を継続してまいります。

秋草学園短期大学 加賀谷先生が参加されたシンポジウムの様子
左よりキッズデザイン協議会吉岡、コンビウィズ株式会社森口さん、セコム株式会社舟生さん
キッズデザイン賞マーク
文章:森口優子(コンビウィズ)、吉岡 麻衣(キッズデザイン協議会)