2026.1.6
経営者による意見交換会【受賞者による講演】
LUCK株式会社 小川 凜一氏
事例紹介
~「つまんなそう」をなくすことで、学びは動き出す~
第19回キッズデザイン賞受賞
LUCK株式会社 ディレクタープランナー 小川 凜一氏 講演レポート
第19回キッズデザイン賞を受賞した書籍『こども六法』。本講演では、LUCK株式会社ディレクタープランナーの小川凜一氏より、本書誕生の背景と、教育における「デザイン」の考え方についてお話しいただきました。


小川氏はLUCK株式会社を創業し、教育分野を軸に、書籍制作、イベント企画、映像制作などを手がけています。『こども六法』では企画制作を担当し、累計80万部を突破。児童書としては異例のヒットとなりました。さらに、本書は全国の図書館でも広く所蔵されており、多くの読者が手に取れる環境が整っています。
『こども六法』が目指したのは、いじめなどの問題に直面したとき、子ども自身が「自分を守る知識」を持てるようにすることでした。小川氏は、「大人が助けられない状況があったとしても、子どもが自分で自衛できる手段を持つことを目指した」と、企画の原点を振り返ります。
本書では、刑法や民法など、子どもに関わりの深い法律を扱っていますが、最大の特徴は、6名の専門家による監修を受けた“正確な法律書”である点です。子ども向けでありながら、法的な正確性を一切妥協していないことについて、小川氏は「相談や行動につなげられる本であることが重要だった」と語りました。
一方で、制作過程で小川氏が直面した最大の壁は、「正確さ」と「わかりやすさ」の両立だったといいます。法律を簡単にしすぎれば正確性を失う。しかし難しいままでは、子どもが手に取らない。その葛藤の中で気づいたのが、「理解を妨げているのは難しさではなく、“つまんなそう”という印象ではないか」という発見でした。
その転機となったのが、ある子ども向けゲームカードの存在でした。非常に複雑なルールが書かれているにもかかわらず、子どもたちは夢中で読み、理解している。”面白そうであれば、難しさは障壁にならない” のではないか。
この気づきから、『こども六法』では法律の文章は極力そのままに、キャッチコピーやイラストを用いて「面白そう」という入口をデザインされました。
結果として、イラストやコピーから本を読み始めた子どもたちが、自然と法律本文まで読み進め、自由研究に活用されるなど、想定以上の広がりを見せました。
小川氏はこれを「教育におけるデザイン」と定義します。「わかりやすさ以上に、”面白そう”をつくること。そのフックがあれば、学びは自ら深まっていく」と語りました。
現在は法律だけでなく、キャリア教育や地域創生など、あらゆる分野を「子どもが学べる形」に変換する挑戦を続けています。
小川様、貴重なお話をありがとうございました。

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